ヨガとは? ~これさえ読めば全貌が掴める!~

ヨガとは

ヨガ【Yoga】とは、シヴァ神によって伝えられたという伝説があるインド由来の技法です。

現在のヨガと大別するとハタヨガ系、ヴィンヤサヨガ系になります。ハタヨガは、1つずつポーズを行いその都度、完結させるヨガを指し、ヴィンヤサヨガは、ポーズとポーズの合間にも動きを入れて途切れなく行い続けるヨガを指します。

ヨガを構成する要素は、アーサナ(ヨガのポーズ)、プラーナヤーマ(呼吸法)、ディヤーナ(瞑想)、マントラ(真言)、ムドラー(印)、チャクラ(エネルギーセンター)、ダルシャナ(哲学)となります。これらは、インドの歴史上に登場した文献に散らばって存在していましたが歴史を追うごとにヨガという1つの形式としてまとめられるようになっていきました。

ヨガの種類

ハタ・ヨガ、アシュタンガヨガなどのアーサナを主体に分類した考えの他に、

■メインの行為を表したヨガ
瞑想のヨガのラージャ・ヨーガ、知恵のヨガのジュニャーナ・ヨーガ、行為のヨガのカルマ・ヨーガ、献身のヨガのバクティ・ヨーガ、音のヨガのナダヨガ、笑いのヨガのラフターヨガなど

■創始者の名前を冠にしたヨガ
シヴァナンダヨガ、アイアンガーヨガ、クリパルヨガ、ビクラムヨガ、沖ヨガなど。

■意味のあるサンスクリット語をつけたヨガ
クンダリーニヨガ、ジヴァムクティヨガ、イシュタヨガ、アヌサラヨなど。

■ヨガと何かと組み合わせたコラボ系のヨガ
ホット×ヨガ=ホットヨガ、ドッグ×ヨガ=ドッグヨガ、ビール×ヨガ=ビールヨガなど。

■道具を使ったヨガ
リストラティブヨガ、エアリアルヨガ、アロマヨガ、サップヨガなど。

■ターゲットに対して謳ったヨガ
シニアヨガ、キッズヨガ、マタニティヨガ、産後ヨガなど。

■効果を謳ったヨガ
骨盤矯正(調整)ヨガ、筋膜リリースヨガ、リラックスヨガなど。

日本のヨガ業界の発展

今現在、日本で行われているヨガは、西洋を通して広まったヨガとなります。日本のヨガ界の暗黒時代であったと称される1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件の前は瞑想を中心としたヨガでしたが、2003年からは主にハリウッドで流行ったアメリカナイズされたこれまでのイメージを変えた新しいヨガ(エクササイズ主体)のおかげで復活することができました。翌年2004年にヨガフェスタの開催、ヨガ雑誌『ヨギーニ』『ヨガジャーナル日本版』株式会社ベンチャーバンクによる『ホットヨガスタジオLAVA』事業が始まり、さらには『ロハスブーム』による後押しなどによって現在のヨガ業界が確立された大きな節目であったとも言えます。

2017年頃からマインドフルネス瞑想をGoogleやApple、Yahoo!などが企業研修として取り入れたことから、リニューアルパッケージされたメディテーション(瞑想)によって日本のヨガ界も瞑想に回帰することが、より一層容易になっていきました。さらには2018年にオウム真理教が社会的に終わりを告げ(事件の傷跡は消えない)これまでのヨガに対するイメージ=怪しい、宗教というものも収束したといえます。

また、よく言われる「ヨガは女性がやるものだ。」というヨガに対するイメージは、1995年から続く暗黒時代を払拭させるために2003年頃にヨガを新しい形で魅せる際に決めたターゲット層が女性であったため、ファッショナブルで、ロハスで、ステータスであるというイメージ戦略の結果であり、ある意味成功したからこその言葉であったといえます。2017年以降これまでの、そうした女性への打ち出し方だけでなく、男性に対してもヨガしようというイメージ戦略を図るようになり『男ヨガ』『メンズヨガ』というような名目でレッスンや書籍などが生まれ、男性ヨガインストラクターによるテレビ出演などによって、男性ヨガ人口が増えてきています。

さらには、キッズヨガ、シニアヨガ、マタニティヨガなど、ターゲット層を拡大するヨガもみられ、はたまたドッグヨガやヤギヨガといった動物と戯れながらヨガをするといったものまで登場し、さらなるヨガ人口の拡大が予想され、今後2020年にはヨガ人口が1000万人を超すと言われています。

ヨガの歴史

今から5000年前(BC3000年)にインダス文明の都市遺跡モヘンジョダロで見つかったという石板に、瞑想をしている(シヴァ神だと思われる)姿が描かれていたことから「これはヨガをやっているのだ」という主張があり、これがヨガに長い歴史があるとされる所以です。

ヨガという言葉が初めて書物に書かれたのは、BC1500年からのヴェーダ(聖典の総称)にて「馬と馬車を繋ぐ」という意味で使われました。その後、明確にヨガが定義されたのがBC500年頃に成立した『カータカ・ウパニシャッド』という文献です。その後、AD450年頃にまとめられた『ヨーガ・スートラ』が現代ヨガの基本として扱われるようになります。ハタ・ヨガの経典がAD1600年以降にまとめられ、現代のヨガへと引き継がれていくようになります。

AD1900年代になってくると、現代のヨガの父と称されるT・クリシュナマチャリアを中心としたインドのヨガ文化が世界に広まっていくことになります。クリシュナマチャリアを師としたアシュタンガヨガを確立したK・パタビ・ジョイスやアイアンガーヨガのB・K・S・アイアンガーなどによって、西洋人にヨガが広まりました。

ヴェーダとは

ヴェーダ【Veda】とは、知識という意味で聖典文書の総称です。ヴェーダは4つあり、それぞれに4種類の書物があります。

■4つのヴェーダ(紀元前1200年〜)
リグ・ヴェーダ、サーマ・ヴェーダ、ヤジュル・ヴェーダ、アタルヴァ・ヴェーダ 

■4種類の書物
サンヒター、ブラーフマナ、アーラニヤカ、ウパニシャッド

ヨガが登場した文献

  • タイッティリーヤ・ウパニシャッド(ヨーガの意味が曖昧)
  • カータカ・ウパニシャッド(心の統一という意味で使われた)
  • シュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド(ヨーガを行うときの姿勢、環境などについて)
  • マイトラーヤナ・ウパニシャッド(六支則シャッタンガヨーガについて)
  • バガヴァッド・ギーター(カルマヨーガ、ジュニャーナヨーガ、バクティヨーガについて)
  • ヨーガ・スートラ(クリヤヨーガ、アシュターンガ・ヨーガについて)
  • ハタ・ヨーガ・プラディピカー(ハタ・ヨーガについて)
  • ゲーランダ・サンヒター(ハタ・ヨーガについて)
  • シヴァ・サンヒター(ハタ・ヨーガについて)

■ヨガの年表

BC3000年頃〜 モヘンジョダロの石板

BC1500年頃〜 【聖典群】ヴェーダ

※バラモン教成立

BC600年頃〜 【聖典群】ヴェーダの中のタイッティリーヤ・ウパニシャッド

BC500年頃〜 【聖典群】ヴェーダの中のカータカ・ウパニシャッド

【聖典群】ヴェーダの中のシュヴェーターシュヴァタラ・ウパニシャッド

【二大叙事詩】マハーバーラタの中のバガヴァッド・ギーター

※ゼロの概念成立

※仏教成立

※ジャイナ教成立

※ヒンドゥー教成立

BC200年頃〜 ヴェーダの中のマイトラーヤナ・ウパニシャッド

AD450年頃〜 ヨーガ・スートラ

AD1600年頃 ハタ・ヨーガ・プラディピカー(HYP)

HYP以降に成立 ゲーランダ・サンヒター

HYP以降に成立 シヴァ・サンヒター

AD1900年頃 現代ヨガの興起

AD1970年頃 アシュタンガヨガ

ヨガの目的

インダス文明時代のヨガ(瞑想のポーズ)は、どのような目的で行われたものか分かっていません。ヴェーダ時代のヴェーダ初期に書かれていたものは、現世利益を求めていたものでした。そこに書かれていたヨガもまた、現世利益を求めるためのものだったと言えます。

その後、ヴェーダ後期のウパニシャッドには、心の平穏を求めるものへと変わりました。それは、リラックスや一時しのぎの心の安定というような薬のようなものではなく、永続的な状態を目指しており、それを「悟りの境地に至ること」「解脱する」と云うようになりました。この考え方は、ヨーガ・スートラまで引き継がれていきます。

しかし、ハタ・ヨーガになると、また現世利益を求めることが目的となっていきます。現代でも、デトックスしたい、ダイエットしたい、汗をかきたい、柔らかくなりたい、楽しみたい、健康になりたいなどのあらゆる現世利益をヨガに対して求めることとなりました。

ヨガの語源

ヨガの語源であるユジ【yuj】は、結ぶ、繋ぐ、集中させる、制御するという意味で、「馬と馬車を繋ぐ」道具である軛【くびき】を指し、ガンニュ【ghan】という接尾辞、〜させるという意味がくっついた言葉です。ユジガンニュ=ヨガ。

ヨガには様々な使い方がありバガヴァッド・ギーターでは、章という意味でヨガが使われたり、サンヨーガを結合、ヴィヨーガを分離という熟語になったりします。なお、サンヨーガはネガティブな意味で、ヴィヨーガはポジティブな意味で使われることが多いようです。

ヨガの哲学

現代のヨガ哲学は【経典】ヨーガ・スートラの八支則を中心に考えられています。この流れは、ヴェーダのウパニシャッドに起因します。その中でもカータカ・ウパニシャッドは、その原型が見て取れます。当時新興宗教であった仏教やジャイナ教にある理論体系に対して、伝統的なヴェーダもまた体系化を図るようになっていきました。その後これらを六派哲学と呼ぶようになりました。

■シャッドダルシャナ(六派哲学)
1.ミーマンサー哲学
2.ヴェーダンタ哲学
3.サーンキヤ哲学
4.ヨーガ哲学
5.ヴァイシェーシカ哲学
6.ニヤーヤ哲学

実のところヨガには哲学が特にありませんでした。そこでサーンキヤ哲学を丸ごと採用し、1つだけ別のものを足した上でヨーガ哲学としました。その1つが「神」です。なので、サーンキヤ哲学は神はいないという立場であったことからヨーガ哲学は別名、有神サーンキヤ哲学とも呼ばれています。

ヨーガ・スートラには、神に対して祈ることでも悟りに至ることができるという説明がなされています。当時バガヴァッドギーターが流行っており、その中のバクティ・ヨーガ(神への献身のヨーガ)を採用したのではないかという考えもあります。

ともあれ、神をも悟りのための手段とするその姿勢は、徹底した悟り主義を貫いているとも言えるのではないでしょうか。そういった意味では、【聖音】オームを唱えることでも悟りに至ることができるとしています。そして、アシュタンガヨガ(八支則)も悟りへの道を説明したものです。

アシュタンガヨガについての詳細は別記事をご覧ください。

関連記事

アシュタンガヨガとはアシュタンガヨガとは、動作と呼吸を合わせながらポーズを行う運動量の高いヨガです。特徴は、定められたシークエンス(クラマ)、ヴィンヤサ、ウジャーイ呼吸、バンダ、ドリシュティというテクニックです。ヨガスタジオでは[…]

最新情報をチェックしよう!